顔のたるみやボロボロ肌の敵は「糖化」だった
糖化とは？
「糖化」という言葉を聞いたことがありますか。私たちは紫外線や乾燥など、毎日あらゆるお肌の敵と戦って、少しでもハリのあるみずみずしいお肌を心がけていますが、実はいちばんの敵とも言えるものが、私たちの体内にあったのです。
糖化とは、体内のタンパク質や脂質が「糖」と結びつく現象のことです。体内のタンパク質や脂質は、血液中に余分な糖分があると結びついて、老化を促進させる「糖化生成物（AGEs）」を生成します。この糖化生成物は、一度できてしまうと体内に蓄積され、肌全体を黄色くくすませてしまいます。その結果、お肌が硬くなって乾燥しやすくなる、柔軟性を失ってハリや弾力がなくなる、しわやたるみが増える、といったひどい状態を生み出してしまうのです。
こうなってしまうと、いくら外側から化粧水で保湿しようとしても、効かなくなってしまいます。ではこの恐ろしい「糖化」現象は、なぜ起こってしまうのでしょうか。
糖化はどのような状態で起こる？
糖化の最大の原因は、読んで字の如く糖の過剰摂取です。これによって血糖値が高くなりすぎることがいちばんの問題なのです。
血糖値は過剰に糖分を摂取すると急激に上昇しますが、通常ですと体がこれを抑えて摂取した糖を処理してくれるのですが、上昇率があまりにも高いと処理が追いつかずに、糖が残ってしまいます。この残った糖が体内のタンパク質や脂質と結合し、最終的に糖化生成物になるのです。
血糖値の上昇率は、糖分の過剰摂取や食べる順番によっても高くなりますが、空腹時間が長すぎてもその後の食事の直後血糖値がぐんと上がってしまうそうです。
また、糖化はお肌に悪影響を及ぼすだけでなく、白内障や腎症などの糖尿病合併症、動脈硬化、アルツハイマー型認知症などを引き起こすほか、骨粗鬆症や腰痛・ひざ痛の原因にもなるという恐ろしいものなのです。
肌が「糖化」するとどうなるの？
お肌が糖化することでもたらされる影響はたくさんあります。まずお肌が硬くなるためにハリや弾力が失われ、しわやたるみを引き起こします。また、黄くすみを起こすためにお肌の透明感がなくなり、くすんだお肌になってしまいます。そしてターンオーバーが乱れるため、小じわやほうれい線なども出来やすくなります。
年齢を重ねるとコラーゲン繊維が硬くなる傾向にあると言われますが、実はこれも、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった皮膚を形成するタンパク質の代謝が遅くなることで糖分との接している時間が長くなり、その結果糖化がいたるところで発生しているからだという説もあるのです。
年齢を重ねるというだけで体内の水分が減り、ターンオーバーのサイクルが乱れてしまうといったことが起こりやすくなります。実はこの原因に糖化が絡んでいるかどうかで、立てるべき対策も変わってきますので、自分の状態をよく見極めることが必要です。
