肌を老化させないために!肌老化メカニズムを知る
肌の構造と機能
皮膚と呼ばれるものは表皮と真皮、そして皮下組織で出来ています。特にこの表皮と真皮の中で、私たちの見た目に関わる大切な活動が日々行われているのです。
表皮は表面から奥に向かって角質層→顆粒層→有棘層→基底層という4つの層で出来ています。角質層の細胞はブロック状に重なっていて、セラミドを主成分とする細胞間脂質がこの角質細胞をつないでいるのですが、この状態が壊れると保湿のシステムに影響し、バリア機能に障害が出て来ます。
その下にある真皮層は、網目状にはりめぐらされたコラーゲン繊維と、それをつなぎ合わせるエラスチンが皮膚の弾力を保ち、クッションの役割を果たしながら表皮を支えています。また、この隙間にあるゼリー状のヒアルロン酸がお肌の水分を保ち、潤いを与えてくれているのです。
このコラーゲンやヒアルロン酸を産生するのは真皮層ある繊維芽細胞です。古くなった成分を分解する役割も果たしているので、この繊維芽細胞が老化や紫外線の影響で傷つくと、真皮内の構成が崩れ、表皮を支えきれなくなってきます。その結果、お肌の弾力やハリが失われ、ほうれい線やたるみを引き起こすのです。
ターンオーバーについて
表皮の最下層である基底層で作られた細胞は、形を変えながら表面に向かって押し上げられ、無核の角化細胞となって角質層に到達し、最終的にアカとなって自然に剥がれ落ちます。この細胞が生まれてから剥がれ落ちるまでの行程をターンオーバーと言います。皮膚が傷ついてもかさぶたになってはがれおち、きれいな肌に生まれ変わるのはこのおかげです。
ターンオーバーの速度は部位によって異なりますが、最速で28日、遅くて56日と言われます。顔のターンオーバーはたいてい1ヶ月程度、手足などは血行の関係もあって比較的遅めです。もともと個人差はありますが、加齢によって新陳代謝が低下すると、ターンオーバーのサイクルは遅くなっていきます。
逆に角質ケアをしすぎるとターンオーバーが早まり、細胞がまだ核を持っている状態で表面に押し上げられてしまうため、肌がゴワゴワになって水分を保持するのが困難になります。
ターンオーバーは早すぎても遅すぎても肌トラブルを招いてしまいます。肌のくすみやしみ、乾燥肌など、ターンオーバーが正常に行われなくなってきているサインを見逃さないように注意して、早めの対策を立てることが必要です。
年齢を重ねると起こるお肌の老化
年齢を重ねると、血行が悪くなり、代謝が衰えて、細胞に栄養が行き渡らなくなってしまいます。それによってお肌が影響を受けてしまうのは致し方ありませんが、お肌の仕組みを知ることで、少しでも皮膚の細胞が正常に活動できるように気をつけることはできます。
たとえば、真皮の中にある繊維芽細胞は紫外線によるダメージを受けやすいのですが、細胞分裂に乏しいため、いったん傷つくと再生しにくいのです。この繊維芽細胞が壊れると、コラーゲンやヒアルロン酸の産生量が減少し、結果としてハリや弾力が失われ、しわができ、たるんでフェイスラインが下がってしまいます。このことを知っていれば、紫外線によるダメージが、特に年齢を重ねた私たちにとって取り返しのつかないことかがよくわかりますよね。
自分のお肌の構造と、加齢によって受けるダメージを考えた上で、私たちがお肌のためにできることを1つずつやっていきましょう。やるべきことは大きく分けて3つ、ターンオーバーを正常に保つためのバランスの取れた食事と十分な睡眠を含む生活習慣の改善、繊維芽細胞を守るためのUVケア、そして加齢によるお肌の乾燥対策としての十分な保湿です。自分のお肌を支えてくれている細胞は、私たちが自分で守るしかないのです。